
2008年03月29日
ラスト『来々軒』




残念なことに今月末でお店を閉めるそうです。
86歳のおばあちゃんと従業員のおじいちゃんがいて、業歴は60年以上だそうです。
小さい頃、父母にお願いして出前で食べさせてもらいました。
20年ぶりくらいに食べた味は、
ワクワクしながら配達のおじさんを待ち、
『あちち、あちち。』
と、言いながらラップと輪ゴムを外し妹と食べた、
何か魚のおだしに醤油味の懐かしい匂いと味でした。何も変わりません。
でも、私より懐かしむのは父のようです。
店の中は、『来々軒』で育った地元の人ばかり。
満員御礼で調理場は大忙し。『今日は出前はやってない!!悪いね!!』
ラーメンの出てくる後先順番が変わってしまうのは
86歳のおばあちゃんの
『ごめんね、お待たせして』の愛嬌でカバー。
『俺達が小学生、中学生の時は、100円持ってここでラーメン食って映画見て帰ったもんだ』
と、懐かしそうに父と店にいるおじさん、おばさんは語らいます。
今では、430円。
大盛はプラス70円。
メニューは以上。
古いストーブに、
統一してないテーブルと椅子、
お冷やの用意はなく、
どんぶりサイズも様々、
そんな『来々軒』は
尾去沢の多くの人に味という記憶を残し、
老若男女個々の思い出を作り、
愛されてお店を閉めて行くんですね。
車の中で父上が
『俺は今月三回目だ。もうこの味も味わえなくなるんだなぁ。淋しいな』
と。
父上と私、
それぞれの思い出を噛み締めながらの今日のお昼ご飯でした。
Posted by kate-c at 15:31│Comments(0)